かつおの旬の時期は1回じゃないの?! 初鰹と戻り鰹はどう違う?

かつおは見るより食べることが話題の魚。かつおを漢字にすれば勝男と表すこともできるので縁起の良い魚としてお祝いの飾りにも使われます。かつおで作るかつお節がなければ日本食は完成形になりません。

白いご飯や冷奴にかけたり、出汁をとったり365日いつでも目にしているかつお。優れた加工品があるので、本来かつおが獲れる時期があるのをすっかり忘れがち。

野菜に旬があるように魚にだってもちろん旬があります。天然育ちのうなぎなら旬は秋から冬。でもそんなの関係なく夏に食べるのはやっぱり美味しいから、けれどかつおは…

魚の中でも獲れる時期が注目されるのが特長。流通量が多いけれど養殖ができないってホントなの? 旬の時期はいつ? かつおを食べるのに相応しいのはもちろんあの季節? 輝く空が似合いますよね。

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かつおの旬の時期は? 歴史で習った通り?!

かつおの旬の時期。これを耳にしたらすぐに思い出す季節がありますよね。かつおの旬の時期。江戸時代の俳句にある通りの季節、もちろんコレ。

お家でマネは絶対禁止♪迫力すごい!!

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」ですから晩春が過ぎて夏を感じさせる空気になる初夏が旬の時期…と私はすっかり信じ込んでいました。

でもかつおには旬が2回あります。
3~5月の初鰹(はつがつお) 8~10月の戻り鰹(もどりがつお)

単純な私はかつお節以外のかつおが登場するのは年に一度初夏だけ。他の季節に見る鰹はなんちゃってなのか? 冷凍なのか? かつおには申し訳ないのですがその程度の知識しかありません。

2回も旬があるなんて、かつおさん知らなくてごめんなさい。そして江戸時代には何故「初鰹」だけが注目されたのか。「かつお=高知」はどうしてなのか。かつおは秘密を抱えながら今日も海を泳いでいます。

日本人にはなじみ深い魚の「鰹(かつお)」をお勉強します。(1番勉強が必要なのは私です…)

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かつおの旬が年2回あるのはどうして?

年に2回味のピークがあるかつお。どうして2回あるのかはかつおの誕生とその生き様を知る必要があります。では「かつお・その一生」を解説。

  • かつおの一生STORY
  • かつおは赤道付近で誕生

    1歳を迎えるころに北へ向かう

    2~3月に水温19度前後の鹿児島辺りに到着

    4~6月に高知・静岡・東京・千葉と太平洋を北上

    7~9月に東北・北海道南部に到達

    水温が下がるので太平洋を南下

    9~10月に高知辺りを通過

    赤道付近に戻り群れをつくって生涯を終える

    途中で捕まらなければ寿命は約10年。日本の太平洋を泳ぐかつおは若者中心。大人は体長が約1mありますが、日本で見かけるのはその半分くらいのサイズです。

かつおは19度前後の水温が好みなので、適温の海水を求めて泳ぎます。春から夏は北へ向かい、夏が終わるころには南へ戻っていきます。

日本の太平洋側を往復するので旬が2回あります。

赤道直下を北上して日本の太平洋側に泳ぎ着いたかつおは「初鰹」。あっさりとしているのでお刺身で食します。

東北地方まで北上したかつおはプランクトンや小魚をガッツリ食べて、脂がのった「戻り鰹」になり南へ向かいます。藁焼き(わらやき)で食べるのが有名ですね。

広い海を泳いで常に動かないと生きられないかつおは養殖では育ちません。現在流通しているかつおは天然物です。

縁起物の初鰹は江戸のトレンド?!

江戸時代の俳句にも歌われた初鰹。脂は少なめのサッパリ系の鰹が好まれました。かつおを食べるときは「初」であることが重要。

季節に初めて入荷するかつおを誰よりも早く食べるための努力は惜しみません。現代のお金に換算すると最高額は1本なんと24万円。

将軍様から歌舞伎役者にセレブな商人そして庶民に至るまで、先を争うように「初鰹」を食べていました。

初物を食べると寿命が延びる・北へ向かう姿から「上り鰹」とも呼ばれ出世をイメージさせる、など江戸の一大トレンドとなった理由は色々。

江戸に近い所にかつおが獲れる漁場があったことも理由の1つとして挙げられます。初鰹が北上する伊豆・相模湾・房総沖で獲れたかつおがその日のうちに江戸に運ばれました。

あまりの初物フィーバーに幕府が初物禁止令を出すことさえありましたが、美味しい初鰹のためにはそんなの関係なし。平和な江戸の時代が終わるまで初鰹は人々と食卓を盛り上げていました。

高知のかつおは年2回味わえるの?

太平洋に面する高知県、縄文時代の遺跡からもかつおの骨が出土する位長く愛され食べられている魚です。現在も漁獲量は国内第4位ですが消費量は第1位の王者に輝き続けています。

その昔土佐の高知は動力の無い船でも約1時間の航海でかつおを獲ることができる好立地の地域。江戸時代には藩の重要な財源にもなっていました。

鹿児島から北上する3~4月と東北から南下する9~10月の年2回が高知のかつおの旬。

土佐高知と言えばかつおの一本釣りが有名ですね。網を使って一網打尽にするのではなく、竿で一匹ずつ獲る方法は限りある魚資源を残せる歴史ある方法です。

現代のたたきに通じる食べ方も土佐高知が始まりと言われています。表面を焼いて食中毒の予防・刺身禁止令に対抗、などの様々な知恵がかつおレシピを生み出しました。

漁場の近さから豊富な漁獲量で人気の高知県ですが、土佐湾のかつおの量が減りつつあるのが心配です。日本だけではなく世界中で食べられているかつおの獲り過ぎの影響もあるようです。

かつおはタンパク質・鉄分・ビタミンB12を含んでいます。赤血球を作るのに必要なビタミンB12は貧血の予防に効果があります。鉄分もあるので女子をサポートする魚。

鹿児島や高知から始まるかつおの回遊は日本にとって重要な資源。赤道直下からの長い旅を経て漁師さんのおかげで食卓に上るかつおに感謝するとともに、美味しく残さずいただきましょう。

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