お盆の精霊馬の意味は? 読み方は? きゅうりとなすに乗るのは誰??

お盆は準備するものが沢山あります。夏休みをお盆休みと呼ぶこともあるので、レジャーの予定を立てるのも忘れずに…というのも決して間違いではありません。

お盆は夏に行われる仏教の行事です。お盆とはナニかをザックリとまとめると、あの世で暮らすご先祖の霊がお家に戻る日です。でも戻る時に使う交通手段なにを使うのでしょう。

きゅうりやなすで作った馬や牛を見たことはありますか? 私は関東と関西の間の出身ですが、野菜で作った馬は、お盆には絶対に外せないマストアイテムでした。

それに乗ってどうやって移動するの…食べ物を粗末にすることにならないの…色々ツッコミどころ満載なのは認めます。でも精霊馬がないとお盆は始まりません。読み方と意味をご紹介。

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お盆の精霊馬の意味は? なんて読むの??

お盆に精霊馬を見たり作ったりした経験を持つ人は、少数派なのかもしれません。私は子供のころからお盆に毎年必ず見ていたので、全国共通の風習と思っていました。主に中部地方から東日本で行われる風習です。

チョット違うけど許します♪お盆ですから…

  • 精霊馬(しょうりょうま・しょうりょううま)
  • ◆お盆に作る意味は?
    お盆の時期に精霊馬に乗って、先祖の霊があの世と我が家を往復すると伝えられています。なすやきゅうりに足を4本つけ、供物として飾ります。

    精霊に馬と付きますが、きゅうりは馬・なすを牛に見立てて作ります。

  • きゅうりの馬
  • 馬が駆けるイメージで、早く戻ってきてもらうように馬を作る。

  • なすの牛
  • 牛の歩みであの世に戻る時はゆっくり帰ってもらう。牛は荷物を運ぶ役目もあったので、お供えをお土産として持ち帰る。

実はお盆のマストアイテムと言っておきながら私は正式名称の精霊馬を知りませんでした。しかも我が家は、なすで作ったものを馬と呼んでいました。

なので私の頭の中ではお盆に作るのは「なすの馬」と図式が出来上がっています。しかも単純にお馬さんと呼んでいました。地域というより家庭によっても違いはありそうですね。

古くから続いている風習、中でもご供養に関することは、昔から続いていることをそのまま継承していくことも大事ですね。変わらないことで安心できることもあります。

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きゅうりとなすに意味はあるの?

きゅうりとなす、夏野菜の主役を使って馬や牛を作ることにもナニか意味があるのでしょうか?

今はきゅうりもなすも年間通して販売されていますが、やはり旬は夏です。ハウス栽培などが無い時代は夏に採れる代表的な野菜ですね。

歴史を紐解けばきゅうりは平安時代、なすは奈良時代には栽培が始まっていました。それ位馴染みのある野菜です。

感謝を込めて初めて実ったきゅうりやなすをお供えする行事を行うこともありました。これと先祖の供養がコラボして精霊馬につながったという説もあります。

きゅうりの馬やなすの牛にご先祖様が実際に乗ることはまずありません。(子供の頃にはなすの上に誰か乗っているのを、想像したことはあります…)

今年実った野菜を使って、ご供養としてお供えするのは、故人を偲ぶ大切な時間にもなってくれます。

きゅうりの馬となすの牛の作り方は?

きゅうりの馬となすの牛、材料はいたってシンプル。きゅうり・なす・足になるものを用意するだけです。でも気を付けた方が良いことがあります。

新鮮なきゅうりとなすを選ぶ。

お盆の始まり13日から3~4日の間飾ります。もちろん飾りっぱなしになります。冷蔵庫に入っていた野菜では傷みも早くなります。できれば作る日に購入した新鮮な野菜で作りましょう。

◆足はナニで作る?
きゅうりやなすに刺して足を作ります。一番手に入りやすいのは割りばしですね。つまようじを足にする例もありますが、少し長さと強度が足りない気がします。

もし手に入るなら「おがら」を使ってください。おがら(麻がら・苧殻)は麻の茎を干した硬い茎ですが手でポキポキと折れます。お盆の前にはスーパーでも見かけます。

おがらは燃やして迎え火と送り火に使うようですが、我が家はたいまつを迎え火と送り火に使っていました。(おがらを燃やした記憶がないのでチョットびっくりです。)

我が家のおがらで作ったお馬さんの足は長め(約20cm超)でした。そして必ず約30cm位のおがらをとして馬の側におきました。

長めの足の理由は良くわかりません。歩幅を広げるため? なんて想像しますが。杖も我が家だけの決まり事だったのでしょう。

沖縄ではサトウキビを杖としてお供えするところもあるようです。我が家は関東と関西の間なのでおがらの杖でした。

最近はとても芸術的な精霊馬も見かけますが、お盆の間お供えをすることを考えると、切り口は少ない方が良いかもしれません。

でもご先祖様の好きな乗り物などに仕立てた精霊馬、故人への想いが詰まっていていいですよね。

仏事は基本やマナーが優先されがちですが、本来の目的はご先祖様への感謝と故人への想いを共有する時間。お盆はそのための行事です。

精霊馬デビューだからこんな質問イイですか?

初めて精霊馬を自分で作って飾り、ご先祖様を供養する。年齢を重ねるとこのような場面に出会うこともありますね。こんな質問をして大丈夫? などと思わずなんでも聞いてください。

【質問1】
精霊馬は故人の人数分作るのですか? 仏壇には位牌が3人分ありますが、精霊馬も3つ必要ですか?

【回答1】
ご先祖様が複数人いても精霊馬は1つ作れば大丈夫です。1頭に全員で乗るイメージですね。

【質問2】
精霊馬がしなびてきたのですが、取り換えてもいいのでしょうか?

【回答2】
しなびてくるのは仕方ないのでそのまま飾っておいても大丈夫です。傷みがひどい場合は取り換えることは可能です。傷んだ精霊馬は捨てないで、他の飾りと一緒に片付けます。

【質問3】
仏壇にお供えしたものはお下がりとして必ず食べますが、精霊馬も食べていいのですか? 食べない時はどうやって処分をするのですか?

【回答3】
精霊馬はお下がりとして、食べません。あの世に帰るための手段なので、他のお飾りと共に片づけをします。

我が家は、お盆の時に使った他のものと一緒に蒲生(こも)で巻いて、お寺に持っていきました。昔は川に流したり、お寺でお焚き上げをしていた時代もありました。

今では川に流すならその後回収する必要があります。お焚き上げは煙が近所迷惑になるので、お寺は預かるだけです。

その後は普通ごみとして処理をするようですが、お経が響く中で受け取ってもらえば、ご先祖様も無事にあの世に帰れる気がすると、いつも思っていました。

菩提寺が近くにないと、自宅で処分をすることになります。基本的にはごみの日に出しますね。

お塩で浄める・白い紙で包むなどをして、ご先祖様の無事のお帰りを願いつつ収集場所に持って行きましょう。

私の経験を元に精霊馬をご紹介しましたが、地域や家庭で様々な決め事が沢山あると思います。ただそれを受け継ぐ人は減っているようです。

お盆期間も休めない時は、心の中で故人を思い出すだけでもご供養になります。忙しい日常を過ごすあなたをきっと、空から見守ってくれているはずです。

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