カエデとモミジの違いは? 植物的なくくりなの?? 愛される葉はそれだけじゃない!?
カエデとモミジ。秋になるとよく耳にするワードです。すっかりスタンダードになった曲や童謡のタイトルにもなっています。秋になると聴きたい曲に必ず選ばれますね。
カエデとモミジは秋になって突然生えてくるわけではありません。以前から植えられて常にそこにいます。そして人知れず変化をして秋になると俄然注目を浴びるのです。
ビジュアルやフォルムは似ているところもあるけれど違う点もありますね。区別がつかない、もしかしたら同じ木と思っていたりして。
今見えているのはどちらなのでしょうか。紅葉を中継するナレーションで伝えているそれは間違っている可能性があるかもしれませ。違いは? カエデとモミジに代わって解説をしたいと思います。
カエデとモミジに違いはあるの? 同じじゃないの??
カエデとモミジの違い。カエデとモミジにナニか違いがあるのでしょうか。秋に欠かせないカエデとモミジ。実はこの2つはこのような関係にあります。
フリーハンドから始まる刺繍♪色も優しいですね
植物に「ムクロジ科カエデ属」という大きなグループがあります。もみじはそこに属する樹木です。
カエデとモミジの関係を植物図鑑的に見てみました。大きな括りの「カエデ」の中に「モミジ」があるのです。植物界でこの2つの関係はこういった表現もできます。
カエデとモミジは同じと言っても間違いではありません。
例えばモミジの代表的な種類にイロハモミジがあります。紅葉以外にも若葉の時期にも見ごたえのある風景を作るモミジですが、「カエデ属」に属するモミジです。
でも今さらカエデとモミジは同じものと言われても、どこか納得できない点もありますね。カエデとモミジの関係を違う視点から見てみましょう。
やっぱり違うの? 思い込みじゃなかった??
カエデとモミジは同じだけどどうしても疑問に思うことがあります。カエデに属するモミジ。イメージする葉の形は同じではありません。
カエデと聞くと葉は先が3つ分かれていてやや厚めのイメージがあります。街路樹にも植えられるトウカエデは葉の大きさは約8cmです。トウカエデから採れる樹液はメープルシロップ。
同じく色が変わるのを皆が待っています。イチョウが教えてくれることは? 花言葉はこちらから!
イロハモミジの葉の長さは約6cmです。手のひらを広げたような葉の形。葉の先は5~7つに分かれるという特徴があります。このフォルムから赤ちゃんの手をモミジに例えることがありますね。
西洋的な木の印象があるカエデ。和の庭や建物に似合うモミジ。私はこのように思っていました。そんな思い込みに対しての見解があります。
葉に切れ込みが少ないのがカエデ、細かく分かれているのがモミジ。
樹木を日本独自の感性で育てる盆栽ではこのように区別をすることがあります。同じカテゴリーに属することは知っていても、カエデとモミジそれぞれの良さを引き出す技術があるようです。
手のひらサイズのカエデやモミジは芸術品。ミニチュアサイズでもどちらの葉もキレイに色づくのに感激します。
品詞が違う? 古典的な解釈もあるの??
カエデとモミジの違い、次は時代を遡って検証したいと思います。いうまでもなくカエデとモミジは木の名前、固有名詞です。
モミジは「もみづ」という動詞が語源という説があります。「もみ」を漢字にすると「紅絹」、紅花から作った染料で染めた赤い色です。
このことから赤い色に変わることを「もみづる」と表しました。葉が赤くなることを紅葉(もみじ)と呼びその木をモミジと呼ぶようになったようです。
固有名詞の「スターバックス」に「る」を付けてスタバに行くという略語の「スタバる」という表現がありますが、これとは逆の成り立ちですね。
モミジを見に行くのは「モミジる」ではなく「紅葉狩り」なので覚えておいてください。
参考までにカエデはそのフォルムが「カエル」の手に似ているので「カヘルテ」が語源という説があります。
自然の中に生きる両生類と手間のかかる染色方法。観察力と洞察力が作った2つの木の名前。赤い葉がより愛おしくなるストーリーがありました。
赤い葉は食べることができるの?
カエデとモミジ。最後は「食べる」についての違いを調べてみました。カエデとモミジは食べることができるのでしょうか。
先ほどにも書きましたがトウカエデはメープルシロップを採ることができる木。残念ながら葉を食べることはないようです。見た目も硬そうですね。
モミジは葉を天ぷらにして食べることができます。
私もモミジの名所で食べたことがあります。確かにモミジの葉を使っていますが、やや厚ぼったい衣の甘みでサクサクと食べられました。
食用のモミジを育てている名所もあるので紅葉狩りにお出かけの時にはぜひ味わってみてください。
自然が作り出すカエデとモミジの「赤」。絶景を求めて遠方に出かけるだけではなく身近な公園などでも見ることができます。色と葉の形で深まる秋を堪能しましょう。
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