ほうれん草をゆでる理由♪レンジではシュウ酸は減らないの?
ほうれん草。正直言って子供の頃はチョット苦手でした。ダークなグリーンとクセのある苦味が好きになれずに、ほうれん草が食卓に上がると、テンション落ちていました。
すっかり大人になった今は、好きな野菜に格上げ。生食用のほうれん草もありますが、やはり旬は気温が下がる冬ですよね。プラスアルファの要素として「寒じめ」と冠されているほうれん草も。
寒さを耐えて育ったことで甘味が加わり、栄養素もUPするそうです。でも身体にイイはずのほうれん草、実は気をつけたい成分を含んでいます。
健康のための緑黄色野菜、沢山食べたいと思うのですが…食べ過ぎは良くない? 注意が必要な人がいるの? ゆでる理由があるほうれん草。電子レンジでチンしただけではいけないのはホント?!
ほうれん草にはゆでる理由があります!!
ほうれん草をゆでる理由。電子レンジなら手軽に加熱できるのに、ほうれん草はゆでるが正解なの? お湯を沸かしてゆでるのは手間だけど、ほうれん草をゆでる理由にはこんなコトがあるのです。
ほうれん草に含まれているシュウ酸の量を減らす。
フライパンを使ってゆでるのもオススメ♪
こんなことをいきなり言われても、ゆでる理由はまだ意味不明。成分の「シュウ酸」の正体を知る必要がありますね。
- シュウ酸とは?
ほうれん草の成長の過程で、畑の土から吸収したミネラル成分。口にした時に感じるえぐみやアクはこのシュウ酸のため。シュウ酸を摂り過ぎると結石の原因になることも。
身体にイイから緑黄色野菜を食べましょうと言われているのに、ほうれん草は食べ過ぎるとツラ~い、尿路結石・腎臓結石を起こす可能性があるのです。
ほうれん草をゆでると貴重なビタミンが失われるのでは? という心配も確かにありますが、ビタミンCなどの栄養素がすべて流出してしまう訳ではありません。
根元からお湯に入れ葉をゆでる、掛かる時間の目安は1分。手早くゆでて、水にさらせば栄養素もしっかり残せます。
生食OKのサラダほうれん草にもシュウ酸は含まれています。アクが少ない分シュウ酸の含有量は低いのですが、結石の心配がある時は食べ過ぎに注意が必要ですね。
ゆでて食べてほしいほうれん草。ゆでたくなるお話はまだ続きます。
ほうれん草♪レンジでチンはNGなの?
ほうれん草を買ってきたら、電子レンジでチンしてラップして冷凍すれば、時短でストック! とプランを立てますよね。でもやはりほうれん草はゆでてほしいのです。
お湯でゆでることでシュウ酸が流れ出す。その後水にさらせばシュウ酸を約7割近く減らすことが可能。
電子レンジを使った時は「ゆでる」ではなく「熱を加える」だけです。でもレンジで加熱後水にさらせば、ある程度シュウ酸を減らすことはできます。水で急激に温度を下げれば変色も防げます。
レンチンした時も流水にほうれん草をさらして、シュウ酸を減らしましょう。
ほうれん草は用途に応じた大きさにカットすれば、冷凍保存が可能。1度ゆでてあれば、安心して色々なレシピに使えますね。
ゆでると残留物質も減らせるの?!
ほうれん草など野菜の栽培には窒素肥料が欠かせません。肥料を与えられたほうれん草は、濃いめのグリーンで大きな葉にそだちます。ビジュアルで選ばれる、ほうれん草ですね。
でも過剰な肥料で育ったほうれん草には窒素成分が残ってしまいます。体内に入ると亜硝酸イオンとなり、身体に悪影響を及ぼすこともあります。
ほうれん草に残っている肥料の成分は、ゆでれば減らせます。
ほうれん草の加熱は「炒める」も思い浮かびますよね。ほうれん草を生のまま炒めるのは栄養的には優れていても、シュウ酸や残留物質を減らすことはできません。
旬に合わせて育てられた野菜は肥料を与える量も少なくて済むという、調査報告もあります。ほうれん草は秋に種をまいて冬に収穫ができる野菜。旬は11月~2月下旬。
貴重な露地栽培「寒じめほうれん草」は1月~2月に収穫。こちらの短い旬も見逃さないで下さいね。
ほうれん草♪どれ位たべると結石に?
野菜の中ではシュウ酸の含有量が多めのほうれん草ですが、どれ位食べると結石の心配があるのか? 1kgのほうれん草を、毎日食べると結石ができやすくなります。
1束は約250g…どんなにほうれん草好きでも4束を食べ続けることは現実的ではありませんね。「シュウ酸含有量多めの食品」は、他にも身近に存在しています。
◆食品100g当りのシュウ酸含有量
ほうれん草800mg
キャベツ300mg
なす200mg
煎茶1000mg
番茶760mg
ほうれん草はゆでる前の数値なので、ゆでて調理をすれば約7割減らすことが可能。煎茶・番茶は最初の抽出の含有量。
結石が心配でほうれん草は気を付けていたけれど、お茶はスルーだった…という場合はお茶の摂取量にも注意が必要ですね。
食べ方で結石の予防が可能?
シュウ酸は通常の摂取量であれば体内のカルシウムと結合して、便に混じって体外に排出されます。過剰な摂取で余ってしまったシュウ酸は尿に入り込みます。
シュウ酸と尿のカルシウムが結びついて「結石」を作ります。
体内でカルシウムとの結合を防ぐ方法があれば、シュウ酸が石になることを防げるのでは? そうなのです。こんな対策があります。
吸収される前にカルシウムと結びついていれば、そのまま体外に出すことができる。
↓
シュウ酸を摂取する時にカルシウムも摂る。
シュウ酸とカルシウムの同時摂取が結石を防ぎます。ほうれん草に「かつお節をかける・胡麻和え」はカルシウムを同時摂取する、昔からある代表的な食べ方ですね。
結石を作る原因になる食べ物はシュウ酸だけではありません。動物性たんぱく質やプリン体多めの食生活も結石に結びつきます。
野菜や果物のカリウム・食物繊維は結石を防ぐ食べ物です。ほうれん草は結石を防ぐ役目も持っています。ほうれん草だけを敵視しても、結石を防ぐことはできません。
旬にゆでて食べれば、感染症予防にもなるほうれん草。今年も冬の野菜売場、指定席はセンターです。
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