東大寺のお水取りとは? 終わると春が来る? 混雑回避に対策はある??
奈良東大寺のお水取りが終わると関西に春が来る、という説を以前から耳にはしていました。お水取りは一度は現地で目にしたい、古の都で行われる行事ですが、残念ながらまだ実現していません。
お水取りそしてその後は春が来ると聞いて、どこかで水を汲んでその温度で何かを判断するなどと、ズッ~と思っていました。大変な勘違いに気が付いたのは、お水取りの写真集を見た時でした。
お水取りの真実を知って以来実際の様子を見てみたいと同時に、詳細を知りたい気持ちが高まりました。
一言では言い表せない壮大で荘厳な儀式です。終われば春が来るから優しく癒される訳でもないようです。お水取りは東大寺の歴史そのままを受け継ぎ今に続いています。主役は燃えさかる火…なの?
東大寺のお水取りとは? まずは日程から
東大寺で行われるお水取り。東大寺のお水取りは季節が変る時期に行われます。東大寺のお水取り、本来の意義と日程から調べてみました。お水取りが終われば春だけではなくイイことがありそう…
荘厳で勇壮な儀式です。
東大寺の境内にある二月堂で3月1日~14日の2週に渡って行われる「修二会(しゅにえ)」があります。
明治6年の新暦に変わる以前は、旧暦の2月1日~14日に行われていました。2月に行われる仏事の会なので「修二会」と名付けられたのですね。
修二会の間に2つの注目すべき行事があります。1つは「籠松明(かごたいまつ)」。二月堂が炎に包まれたような迫力に大勢の人が集まります。
そしてもう1つの行事が、修二会が終わりに近づく13日深夜に行われる「お水取り」です。
- 東大寺のお水取りの日程は?
・3月13日のAM1:30~2:00頃。
・3月12日から日付が変わった13日未明に行います。
儀式の行われる東大寺・二月堂側の閼伽井屋(あかいのや)にある井戸から水を汲みます。これを「お水取り」と呼びます。
お水取りは単独で行う行事ではなく、修二会の中で行われる儀式の1つです。
お水取りはとても重要な法会
修二会は「お松明(おたいまつ)」と「籠松明」を燃やし、閼伽井屋の井戸の水を汲む2週間の行事ですが、本来はそうではありません。
新しい春の実りや厄除けを祈るとともに、犯してしまった罪を悔い改める悔過(けか)を行う法会です。
厳しい修行とそれを支える大勢の人が無ければ、修二会を行うことはできません。
東大寺の修二会が行われたのは752年。途切れることなく行われているので2019年は1268回目。イベントやお祭りではありません。
籠松明・お水取りという言葉だけが独り歩きしていますが、「東大寺の二月堂で行われる法会でのお勤めをする」ことを忘れずに参加してください。
2月の下旬から修二会に向けて本格的な準備が始まります。修二会の前に行う「別火(べっか)」と呼ばれる修行の場。精進のために大変厳しい決まりがあります。
でも民衆への優しさも忘れていません。準備の中で椿の造花を作り飾る行事があります。この椿を模した和菓子が周辺のお店で販売されます。
良い年と人々の幸福のために厳しい修行を続ける中の人を思いつつ、ワンランク上の椿の和菓子を頂きましょう。修二会はこの前行も大切なポイント。
そして14日間の修二会が終われば二月堂の扉に鍵がかけられます。何事も無かったような姿を見せる二月堂もぜひ見ておきたい風景ですね。
籠松明を体験したい時はどうすればいいの?
修二会が行われる二月堂が炎で包まれるように見える「籠松明」。籠松明が行われるのは3月12日の夜です。お水取りが行われる前の晩ですね。
本来は明かりの役割をしていた「お松明(おたいまつ)」が、江戸時代ごろから、大型化しました。電気の無い時代の明かりであると同時に、火が燃えさかる様子はパワーを見せてくれる尊さがあります。
今でもお松明から落ちる火の粉を浴びると、病などに罹らず無事に過ごせると言われています。お松明の燃え殻はお守りとして持ち帰ることもあるようです。
でも二月堂の回廊がお松明の炎で包まれるのは12日だけではありません。修二会が行われている他の日にもお松明を見ることができます。
お松明と籠松明の日程を知って混雑回避できる?!
籠松明は籠状に編んだ薄い板でお松明を包んだもの。直径約1mの大きさになります。籠松明が燃やされるのは12日ですが、その他の日にも勇壮なお松明を見ることができます。
予定を確認すれば混雑が避けられる可能性があります。
- 1日~11日・13日→19時開始
- 12日→19時30分開始
- 14日→18時30分開始
約40kgのお松明10本が約20分間回廊を走ります。
平日は比較的混雑を回避できます。18時には二月堂下の広場に行くことをおススメ。週末は混雑します。17時過ぎには広場に入りましょう。
約70kgの籠松明11本が約60分間回廊を通ります。
大混雑するので遅くとも17時までに誘導路(大鐘・鐘楼を目指して下さい)に行くことをおススメ。
10本のお松明が並ぶ壮観な火を見ることが出来るのはこの日だけ。時間は約10分、最終日も混雑は必至。
日程や時間は東大寺の公式サイトで発表されます。
12日は明けて13日の未明のお水取りで汲まれた水「お香水」を参集者も口にすることが出来るので終日大勢の人が訪れます。
精進して汲んだお香水は二月堂の受納所で購入することも可能。お水取りで汲んだお水を二月堂の井戸水で割って瓶詰されています。
12日の人出は約3万人。二月堂の広場(立見)は約4000人が入れます。当日は周辺の交通と広場への入場の規制が大変厳しく行われます。
でも12日の籠松明以外のお松明もとても見応えがあります。混雑を避けたい時は12日以外で予定を立ててみてください。
まだまだ寒い時期の「修二会・お水取り」。参加のためには、しっかりとした準備と計画が必要ですね。私ももう一度勉強をして、いつかは訪れたいと思います。
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